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母からの手紙 ~中学2年の息子へ~

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私の生きる活力ともいえる1つの手紙があります。それは、中学生の頃に渡された「母からの手紙」です。
その手紙を読んでから、私の生き方/考え方が強固なものになっていきました。

何度も繰り返し読んできた手紙のため、既に紙はボロボロです。この機会に、ココに全文記載してみようと思います。
(とても個人的な内容です。面白いネタもないです。ガチです)

○○1
 
 あなたに手紙を書くなんてなんか照れくさく、でもこういう機会はもう無いかもしれませんね。 一度話しておきたいと思っていた事があります。それはあたなの髪の毛の事です。
 
 あたなが生まれた時は安産で元気で大きな赤ちゃんと、とても喜びました。 その時から髪の毛は茶色で少し気になりましたが、周りの人たちから「みんな生まれた時はこんな色よ。だんだん黒くなるのよ」と言われ、私はそう信じていました。 しかし、いつまでたっても変わらない。だんだんと不安になりお医者さんや相談員の方などにも聞いてみました。 そしてもう諦めるしかない2とわかり、私はあなたに対して申し訳ない気持ちでいっぱいでした。 何かが悪かったのか、何が原因なのだろうかとずっと思い悩んでいました。 でもあなたは元気で良い子に育ってくれた。
 
 しかし、大きくなっていくうち、あなたの中にも不安や悩みが生まれたのでしょうね。 初めてあなたから「どうしてぼくの髪の毛は茶色なの」と聞かれた時3、私は何と答えればいいのかと苦しみました。 そして髪の毛の事が原因でいじめられたこともあったようですね。 でもあなたは強くそれに向かってくれた4。私には弱音をはかず。 私はそんなあなたを見ている事がとてもつらく、そして感謝し、頑張れと応援してきました。
 
 最近私の考え方が少し変わってきました。 世の中にはいろいろな運命を持って生まれてきた人がいます。 この事はあなたの持って生まれた運命だと思うのです。 どうか堂々とこの事と向かいあってほしいと思います。 そして、この事を決してハンデとは思ってほしくない。 欠点とは思ってほしくない。 もちろん恥ずかしい事でもありません。 といっても、世の中では通用しない時もあるでしょう。 隠さなければいけない時もやはりあると思います5。 でも、前向きに考えていってほしいのです。 あなた以上に苦しい運命を背負った人達が世の中にはたくさんいます。
 
 あなたは、私達にとって大切な大切な息子です。 どうか優しさと思いやりを忘れず、何事にも前向きにこれからの長い人生いきていって下さい。
 
 いつもいろいろ助けてくれてありがとう。 そして、ドジでおっちょこちょいのお母さんをこれからもどうぞよろしく。
 
 母より

この手紙を読んで初めて母は母で苦悩していた事実を知りました。 母(とついでに父)をこれ以上悲しませるようなことはしない と10代前半の若造が決意したのです。

髪の毛のことでいじめられたりしないように、体を鍛え、頭を鍛え、戦ってきました。 そして、高校への進学時は「髪を黒染めしなくても良い高校」を選択し、自由を手に入れました6。 就職に関しても、営業のような「第一印象がかなり重要」な職種ではなく、技術力とコミュニケーションで勝負する職種を選択し今に至ります7

私にとって、この運命は「強烈な個性」として活かせていると思っています。 いろいろと苦労も多い8ですが、多くの方に理解していただきながら日々頑張っています。

…この手紙を読むと、気合入っちゃいますね(^_-)-☆

  1. 本名は伏せておきます [back]
  2. 高校生のときに「先天性白皮症(アルビノ)」と診断されました。軽微なアルビノらしいので、外出もできます [back]
  3. 今でも覚えています… [back]
  4. 小学2年生、中学1年生の時かな。勉強で見返してやりましたがw [back]
  5. 中学の3年間は髪を黒染め(白髪染め)して友人達へ悪影響が及ばないように配慮していました [back]
  6. 進学校だったので、ある程度自由でした。ただ、成績は最低クラスでしたが… [back]
  7. 思惑通り成果を出せているかは数年後の私しか判断できませんね [back]
  8. 夏の日差しは天敵です。通勤時も日傘必須です。海水浴はもう行けないかも。 [back]

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